住宅設備ショールーム タナカ工業株式会社
新たな事業転換を図るためのショールーム兼オフィス
これからも地域の水廻りを支えながら、新しい事業スタイルに挑戦する
福井県越前市を拠点に長年に亘り、住宅設備機器の販売・施工・修理・リフォーム業を営んでいる「タナカ工業株式会社」様の新しい事業拠点となるショールーム兼事務所の計画です。「新たな営業・提案スタイルへ事業転換を図るためのショールームを建設したい」ということで、お施主様からは2点のご要望がありました。
- 「従来の対面型営業と合わせて、ライブ配信や動画配信による非対面型営業ができる空間を持ち合わせた“対面・非対面融合型営業スタイルのショールーム”へ」
- 「ただ単に商品を陳列するだけではなく、お客様が実際に商品に使い、体験することができる”体験型ショールーム”としたい」
豊富な商品を回遊式に見て、触れて、体験できるショールーム
タナカ工業様では、複数メーカーのユニットバス、システムキッチン、トイレをはじめとした住宅設備商品を取り扱っており、メーカーごとの商品の特徴を比較検討しながら設備選びを行うことができます。キッチン3台、ユニットバス4台、トイレ8台、洗面化粧台3台、家庭用ミストサウナ1台、その他給湯器やアクセサリー類を85㎡の中でコンパクトに配置し、お客様がぐるっと回る中で全ての商品を見て頂けるような回遊式の動線を構成しています。
「商品を実際に触れて、体感して頂きたい」というショールームコンセプトのもと、一部ユニットバスや家庭用ミストサウナは実際に利用できるように給湯・配管などを設備し、実際に肌で体感できるようになっています。
多用途に使えるキッチンスタジオ
キッチンスタジオは、キッチン購入をご検討されているお客様が空間をイメージしやすいよう、住宅のダイニングキッチンに近い広さ・雰囲気の空間をつくりました。 他の展示スペースとは区切り、キッチンを備えたイベントスペースとして、調理体験イベントの開催や動画配信スタジオと多用途に使うことが可能です。 部屋を全面道路に向かって張り出し、各面に開口を開けることで通りからの視認性も高めています。
親しみのある木造建築で
構造は、一般的な戸建住宅に近い間取り・スケール感の中で商品を選んで頂けるように、親しみやすい木造軸組み工法(在来工法)を採用しました。実際の住宅で使用しているような感覚で、使い勝手や設置後のイメージが沸く空間となっています。回遊式のショールームは、中心のユニットバス展示を構成する壁が建物の背骨のような役割を果たすことで、積雪量が2メートルの厳しい地域条件(多雪地域)においても安全で合理的なつくりとしています。設計と並行し、自社で構造計算やエネルギー計算を行い、コスト・性能・構造を考慮した最適な環境づくりを心掛けました。
福井の魅力を発信する
計画地である越前市は魅力的な地域の工芸品が多くあります。地域の魅力を発信するショールームとして、福井県の伝統工芸品建材を建物にも積極的に採用。打合せスペースやキッチンスタジオには越前和紙の壁紙を、エントランスには越前瓦の陶板タイルを、お客様用トイレの手洗いには越前漆塗りの洗面ボウルを使用しています。